英語勉強日記

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気になった英語について綴るブログ。洋画・海外ドラマ、英字新聞など。

紅の豚の名言・名台詞の英語版まとめ

ジブリ「紅の豚」は「飛ばねぇ豚はただの豚だ」という名言がとても有名ですが、ほかにもたくさんのカッコいい名言・名台詞を残しています。
そこで、「紅の豚」の名言・名台詞の英語版をまとめてみました。

ジブリ「紅の豚」英語版

ジブリ「紅の豚」は英語では"Porco Rosso"です。
主人公の名前がタイトルになっています。
たしかにそのまま訳したらカッコ良さがなくなっちゃいますしね。

そのまま直訳すると、”THE CRIMSON PIG”ですね。
英語版はこんな感じです。

「紅の豚」の背景

世界第一次世界大戦後のイタリアのアドリア海が舞台。

大戦では勝利したイタリアだが、「栄光なき勝利」と言われるほど経済的には不安定な状態で、作中のイタリア国内はムッソリーニ率いるファシスト党の独裁体制下。

登場人物と用語

登場人物の英語の呼び方と簡単なキャラ説明

主人公の豚ポルコ・ロッソ(Porco Rosso)の本名はマルコ・パゴット(Marco Pagot)。
ポルコ・ロッソという名前は空賊が付けたもので、イタリア語で「赤い豚」の意味。
元イタリア空軍のパイロットでかつてはアドリア海のエースと呼ばれていた。 現在は空賊狩りする賞金稼ぎ。

マダム・ジーナはGina。
ホテル・アドリアーノの経営者。
3回結婚しており全員飛行艇乗りだったが、全員と死別。
ポルコの古くからの知り合い。

フィオ・ピッコロはFio Piccolo。
ピッコロの孫娘。
フィオの父親はかつてイタリア空軍でポルコと同じ部隊に所属していた。
飛行艇の設計士で、後にピッコロ社を継ぐ。

ピッコロのおやじは Piccolo。
フィオの祖父。飛行艇製造会社「ピッコロ社」の経営者。

マンマユート団はMamma Aiuto。
空賊。「マンマユート団」とは直訳すると「ママ助けて団」の意味のイタリア語。

ドナルド・カーチスはDonald Curtis。
ポルコのライバル。 あだ名はアメリカ野郎。
現在は空賊の用心棒だが、のちにハリウッドスターになる。

フェラーリン少佐はFerrari。
ポルコの元同僚。 イタリア空軍の少佐。

「紅の豚」独特の用語 英語の言い方

飛行艇 a plane/an airplane/a flying boat
戦闘艇 a fighter/a fighter plane
飛行艇乗り flying boat pilots
空賊/空中海賊 air pirates

空賊または空中海賊とは、飛行艇を乗り回す空の海賊のこと。

以下、名言・名台詞が続きます。
所々英語についての解説を載せています。

ポルコ・ロッソ(マルコ・パゴット)

「こんな所で遊んでると団体でさらわれちゃうぜ」

女の子15人と金貨を持ち去ったマンマユート団を探していると、観光艇に出くわして女の子たちにキャーキャー言われたときのセリフ。

Your whole tour group could be kidnapped flying around here.

”whole tour group”で「観光客グループ全体」という意味。

「“金貨ハ半分クレテヤル、残リト人質ヲ オイテウセロ”さもないと皆殺しにしてやるぜ」

人質と金貨を載せたマンマユート団へのポルコからの通信。

"I'm going to allow you to take half of the gold. But leave the rest of the gold and the hostages behind!" If you don't, I'm going to kill you all!

”leave something behind”で「〇〇を置いていけ」。

「いい奴はみんな死ぬ」

マダム・ジーナの3人目の旦那の死の確認が取れたと聞いたポルコのセリフ。

Good guys always die.

「そういう事はな、人間どうしでやんな」

空賊狩りでかなり稼いでいるポルコに、愛国債権を買って民族に貢献しませんかと勧める銀行員へのセリフ。

I'll let the "humans" do that.

”let △△(人) do 〇〇”で「△△(人)に〇〇させる」の意味。

「豚に国も法律もねえよ」

銃のメンテナンスを頼んでいた親方から、不安定な情勢下で飛行艇乗りもそのうち非合法なるんじゃないかと言われたポルコの返事。

"Country" and "law" don't mean anything to a pig.

そのまんまですね。

「悪いが俺は休暇だ」

空賊連合の「次はお前だ出てこい」というメッセージがラジオのニュースで流れたときのセリフ。

Too bad I'm going on vacation.

too badの前にIt'sが省略されている形。

"vacation"が「休暇」。
「休暇に出かける」を英語で言う場合、go on vacationまたはgo for vacationを使います。意味はほぼ同じ。

「ほど良くやせたぜ」

飛行艇が故障して無人島で二日ほど滞在した後のセリフ。

I lost some weight.

そのまんま。「体重が落ちた」という意味。

「飛ばねえ豚は、ただの豚だ」

ジーナに、マルコはそのうちローストポークになっちゃうわよと言われた後のセリフ。

A pig who doesn't fly is just an ordinary pig.

a pigの関係代名詞はwhoです(通常、主格の関係代名詞で先行詞が動物の場合はwhichかthatを使います)。
先行詞はpigですが、一応人なのでwhoなんでしょうね。

「インスピレーションだな」

良いパイロットの第一条件を聞かれたときの答え。

Inspiration.

もともと英語なのでそのままですね。

「ひとつつだけ条件がある。徹夜はするな、睡眠不足はいい仕事の敵だ…それに美容にもよくねぇ」

徹夜してポルコの飛行艇を設計したフィオへのセリフ。

But on one condition, young lady. Don't stay up all night. Insufficient sleep will keep you from doing a good job. And it doesn't help your looks.

「ひとつ条件がある」と言いたい場合に、”on one condition”を使います。
例)You can do 〇〇 on one condition. 「〇〇してもいいけど1つ条件がある」
例)There's one condition. 「条件が1つあります」

”keep △△(人) from doing 〇〇”で「△△(人)に〇〇させないようにする」の意味。

「行きたい所は どこへでも行くさ」

当局に追われてるのになんで戻ってきたんだと言うフェラーリン少佐への返答。

I make it a rule to go wherever I want to.

”make it a rule to 〇〇”で「〇〇するのを常としている」の意味。

「ファシストになるより豚の方がマシさ」

イタリア空軍に戻るよう説得にかかるフェラーリン少佐への返事。

I'd rather be a pig than a fascist.

”fascist”とはもともとイタリア語のようですが、日本語にすると「国粋主義者」など。

強烈なセリフですね。

「スパイなんてものはな、もっと勤勉な野郎がやることさ」

フィオからスパイなのか尋ねられた時のセリフ。

You have to work harder than me to be a secret agent.

”a secret agent”が「スパイ」。

「お嬢さんよ、俺は凶状持ちの賞金稼ぎだぞ。遊覧飛行に行くんじゃねえんだ」

飛行艇の修理が終了後、ついてこようとするフィオを止めようとしたときのセリフ。

Young lady. I'm a bounty hunter with a death warrant on my head. This isn't a flying tour.

”a bounty hunter”が「賞金稼ぎ」。
"a death warrant"で「死刑執行令状」。

「凶状持ち」とは、「凶悪な罪を犯して追われている者」のこと。
「凶状持ち」を英語にすると、「凶悪な犯罪を犯して自分の首には死刑執行令状が付いていて追われてるんだ」ということで、”with a death warrant on my head”としていると思われます。

「凶状持ちの賞金稼ぎ」ってなかなかすごい言葉ですね。

「馬鹿野郎!そういうのは一番大事な時にととっけ!」

お姫様のキスでカエルの王子様が人間に戻れたおとぎ話から、キスしたらポルコが人間に戻れるかもしれないと言ったフィオへの一喝。

Silly. Save it for something important!

”save it for 〇〇”で「〇〇にとっておく」。

「俺には、お前はずっとそうして一人で飛んでいろって言われた気がしたがね」

イタリア空軍時代に部隊の中でポルコだけが生き残ったことに対するポルコの想い。

I thought he was telling me to fly on alone, forever.

"he"とは「神様」のこと。
”fly”だけにすると単に「飛ぶ」という意味になるので、”on”をつけて” fly on”とすることで「飛び続ける」という意味になります。

「いい奴は死んだ奴らさ」

イタリア空軍時代に仲間が全滅してポルコだけが生き残った話をフィオに語ったあとのセリフ。

The good guys were the ones who died.

「カタギの世界へ戻してやってくれ」

カーチスとの戦いが終わり、フィオをジーナに託したポルコのセリフ。

Take her back to the respectable world, please.

”respectable ”で「ちゃんとした、まともな」という意味。

マダム・ジーナ

「もう涙もかれちゃった」

3人目の旦那さんの飛行艇の残骸がベンガルで見つかったとポルコに語ったときのジーナのセリフ。

My tears dried up long ago.

「マルコが人間だった時のたった一枚だけ残った写真なんだから。どうやったら あなたにかけられた魔法がとけるのかしらね」

ジーナの店にかけてある1枚の写真を外さないことが唯一気に入らない点だと言うポルコへの言葉。

That's the only picture left of you as a human. How can we free you from your curse?

日本語では豚になったのは「魔法」のせいとしていますが、英語では”curse"「呪い」としています。

「何よ!!人を伝言板か何かと思ってるの!!いくら心配しても あんた達 飛行艇乗りは女を桟橋の金具くらいにしか考えてないんでしょうマルコ今にローストポークになっちゃうから…私イヤよ、そんなお葬式」

ポルコの飛行艇が故障して無人島に数日滞在後にジーナに電話をかけてきて、自分を撃墜したカーチスに再戦を申し込むようジーナに伝言を頼んだシーン。

What? You think I'm your bulletin board or something?! No matter how much we worry about you, you flying boat pilots only regard women as nails in a landing pier. Marco, you're going to end up as roast pork someday. I couldn't bear to be at your funeral.

”bulletin board”はアメリカ英語で「掲示板」。イギリス英語では"notice board"。
"a landing pier"で「桟橋」。 ”a nail"は「釘」のこと。

"regard A as B"は「AをBと見なす」。
”end up 〇〇”で「最後に〇〇になる、〇〇で終わる」。
"can't bear to 〇〇”で「〇〇するのは耐えられない」。couldにしているのは「もしそうなったら」というニュアンスを出すため。

「私いま賭けをしてるから。私がこの庭にいる時その人が訪ねてきたら、今度こそ愛そうって賭けしてるの。でもそのバカ夜のお店にしか来ないわ。日差しの中へは ちっとも出てこない」

空賊の用心棒からステップアップしてハリウッドスターになって大統領にまで上り詰め、ジーナを大統領夫人にしてやるぜと言い寄るカーチスへの返答。

Because I already have a bet going here. I bet myself that if a certain man ever comes to visit when I'm in my garden, we'll fall in love. But the fool only comes to the restaurant at night. He never emerges in the daylight.

"a bet"は「一つの賭け事」。
”emerge”で「出てくる、現れる」。

「ここではあなたのお国より人生がもうちょっと複雑なの。恋だったらいつでもできるけど…」

ジーナの賭けの相手がポルコだと気付いたカーチスへのセリフ。

Life is more complicated here than in your country. If you're only looking for a fling, that's easy...

"a fling"は「一時的に好き放題やること」。

「本当に飛行艇乗りってみんなバカなんだから」

ポルコvsカーチスの戦いの場へ急行するジーナのセリフ。

Flying boat pilots are all stupid...

「あなたもう一人女の子を不幸にする気なの?」

ポルコとカーチスが殴り合いをしているシーン。

Do you want to make yet another girl unhappy?

”yet”は副詞で「さらに、その上」という意味があるので、「さらに別の女の子を不幸にするの?」という意味になります。

ピッコロのおやじ

「女はいいぞ、よく働くし粘り強いしな」

ポルコの新しい飛行艇を作るのに男がピッコロ以外出稼ぎでいないと知ったポルコへのセリフ。

Women are good. They work well and have guts.

” have guts”は「根性がある」など「ガッツがある」という意味。

フィオ

「女をやめるわけにはいかないけど、やらせてくれない?」

フィオが設計すると聞いて、他の設計士を探すと言うポルコに対してのセリフ。

I can't quit being a woman, but let me do the job, will you?

「私はポルコの人質になるの」

初めて設計し完成した飛行艇の出来を確かめるためにポルコについていきたいフィオのセリフ。

I'm going to be Porco's hostage.

”hostage”で「人質」。

「きれい…世界って本当にきれい」

ポルコと一緒に飛行艇にのり秘密警察からの追跡を逃れた後のセリフ。

Beautiful. The world is really beautiful!

「飛行艇乗りの連中ほど気持ちのいい男達はいないっておじいちゃんはいつも言ってたわ。それは海と空の両方が奴らの心を洗うからだって。飛行艇乗りは船乗りよりも勇敢で丘の飛行機乗りより誇り高いんだって!彼らの一番大事なものは金でも女でもない、名誉だって!」

ポルコへの報復に、空賊たちがフィオが設計したポルコの飛行艇を斧で壊そうとするのを止めるシーン。

Grandpa always told me the flying boat pilots are the greatest bunch of guys there are. He said it's because the sea and the sky purify their hearts. So flying boat pilots are much braver than sailors and prouder than ordinary pilots. What they want the most, he said, is neither money nor women, but honor.

”bunch of 〇〇”で「たくさんの〇〇」。

「意地も見栄もない男なんて最低よ!堂々と戦いなさい!!」

飛行艇を斧で壊すのはフィオに止められた空賊たちが今度はポルコをミンチにしようとしたとき、ポルコはアドリア海の飛行艇乗りの名誉を回復させるためカーチスと再戦するために戻ってきたんだ堂々と戦えとフィオがキレたときのセリフ。

You guys have no guts or honor. You're the lowest of the low! Fight with dignity!

”the lowest of the low”は「最低、下の下」の意味。
”dignity”は「尊厳、品位」。

「神様がまだ来るなって言ったのね」

イタリア空軍時代にポルコだけが生き残った話を聞いた時のフィオのセリフ。

God said it wasn't your time yet, didn't he?

「ジーナさんの賭けがどうなったかは私達だけの秘密…」

フィオが、カーチスとポルコの戦いが終わったその後を語る最後のシーン。

As for how Gina's bet turned out, that's our secret.

” as for 〇〇”で「〇〇に関しては」。
” turn out”は「結局~になる、~という状態で終わる」。

親方

「戦争で稼ぐやつは悪党さ、賞金稼ぎで稼げねぇやつは能無しだ」

ポルコがメンテナンスを頼んだ銃を引き取りに行った際の親方のセリフ。
戦争をやってるんじゃないとポルコに言われた店員が、親方に戦争と賞金稼ぎの違いを尋ねたシーン。

A guy who makes money from war is evil. A guy who can't make money from bounty hunting is incompetent.

”incompetent”で「無能な」。”competent”だと「有能な」。

ドナルド・カーチス

「名声と金を運んでくる幸運のガラガラ蛇さ」

ホテル・アドリアーノの表にとめてあるカーチスはお前のものかとポルコに尋ねられたときのセリフ。
「カーチス」とはドナルド・カーチスが乗っていた水上戦闘機のこと。

It brings me fame and fortune. It's my lucky rattlesnake.

”rattlesnake”で「ガラガラヘビ」。

「心配するな、おふくろの話じゃホレるより慣れだってよ」

ポルコとカーチスの再戦で、勝てば教会に直行して式を挙げるつもりだったカーチスがフィオに言ったセリフ。

Don't worry. My mom told me that growing used to each other is better than love at first sight.

”love at first sight”は「一目惚れ」。

空賊連合

「次はお前だ 豚 出てこい」

空賊連合が地中海の女王号を襲い金目のものを奪い去ることに成功したというニュースがラジオで流れたときの、空賊連合からポルコへのメッセージ。

You're next! Come on out, pig!

マンマユート団ボス

「仲間外れを作っちゃかわいそうだ」

女学校の生徒たち15人を全員誘拐するのかと部下に聞かれたときのセリフ。

It wouldn't be nice to separate them from their friends.

「バカヤロー志をもっと大きく持て」

船を襲って女の子と金貨を持ち去ったがポルコに負けて降参したけど、船の修理代だけは残って良かったと言う部下に対してのセリフ。

Stupid! Set your sights higher!

"set one's sights higher"で「(人)の目標を高く設定する」。

「豚はあの技でアドリア海のエースになったんだ」

ポルコvsカーチスの戦いで、ひねりこみでカーチスの後ろを取ったポルコについての解説。

That technique made the pig the ace of the Adriatic.

「アドリア海」は” the Adriatic”。

フェラーリン少佐

「お前には反国家非協力罪、密出入国、退廃思想、ハレンチで怠惰な豚でいる罪、ワイセツ物陳列で逮捕状が出される」

戻ってきたポルコを心配して当局の情報を漏らすフェラーリン少佐。

A warrant for your arrest is being issued for refusal to cooperate with the state, illegal coming and going, decadent thoughts, being a lazy pig, and display of indecent materials...

"a warrant "は「令状」。
”issue”で「発令する」。
”decadent ”は「退廃的な」の意味。
”indecent ”は「わいせつな、いかがわしい」。

「国家とか民族とかくだらないスポンサーを背負って飛ばなきゃならないんだ」

空軍に戻れと言うフェラーリン少佐に、ファシストになるなら豚になった方がマシだと言ったポルコへの言葉。

Now we can only fly in the service of worthless causes like "country" or "nation".

”in the service of"で「~のために、~に仕えて」。
"country" と "nation"は「国」をさす同じ意味の言葉だと思えるかもしれませんが、 "country" が土地的な国の意味合いが強いのに対して、 "nation"は民族や国民全体といったニュアンスが強いという違いがあります。

「飛んだところで豚は豚だぜ」

イタリア空軍に戻ることを拒否したポルコへのセリフ。

When it comes down to it, a pig is just a pig.

”when it comes down to it”は「結局」「~については」。

参考script

参考にしたscriptはこちらからどうぞ。

http://www.nausicaa.net/miyazaki/porco/script_porco_en_r.txt

さいごに

有名な名台詞以外に、個人的に好きなセリフも一緒にまとめてみました。
紅の豚の哀愁漂うセリフが沁みますね・・・

小さい頃にも紅の豚を見たことがありますが、大人になってから見ると見方が変わりました。
小さい時には何で豚が飛行機で空飛んでるんだろう?とよく分からなかったストーリーや、とくに何も感じなかったセリフが、大きくなって聞くと深く考えさせられるものがあります。
紅の豚は大人こそ見てほしい映画ですね。